FXと月末終値
 7月は経験則的にドル高になりやすい月だということを以前も何度か紹介したが、今年の場合も、これまでのところはまさに経験則通りとなっている。しかし経験則からすると、じつは今月中に118円を大きく超えるのは難しいということにもなる。 7月は過去10年間で8回がドル高、しかも昨年まで6年連続でドル高といった具合に一年でも最もドル高になりやすい月だ。FX取引、FX初心者、くりっく365、FX口座開設、FX資料請求  今月の寄り付きは114.13円だから、月末終値でそれをドルが上回ると今年も7月はドル高ということになるが、これまでのところそれがかなり有力な見通しとなっている。  ところで、7月の経験則でもう一つの特徴に「小動き」ということがある。2000年以降の7月平均値幅は第10位。しかも年間平均値幅をすべて下回っていた。  さて今年6月までの平均値幅は4.5円だから、経験則からすると、今月の値幅は4.5円以下の可能性が高いということになる。ドル安値が今のところ113.45円だから、高値は118円を超えない計算になる。  19日、ドルは118円突破寸前まで上昇した後、バーナンキFRB議長の議会証言などを受けて急反落となった。やはりこのまますぐに118円を大きく超えていくのは無理なのか。ここ数日の値動きが鍵となりそうだ。 次に、円安の限界という観点で考察してみたい。  円は対ドルでは117円台で、年初来の最安値(2月3日119.40円)にまだ届いていないものの、総合力を示す実効相場(BOE算出、1990年の平均を100とした指数)ではすでに18日現在で123.8と年初来最安値更新となった。  このように対ドルでまだ円安値更新となっていないのに、実効相場では安値更新となっているのは、ドル以外の通貨に対して円安が進んでいるためだ。対ユーロでは最安値更新が続くなど、いわゆるクロス円での円安が目立っている。  ただし、今年に入ってからは、この実効相場124割れが円安の限界でもあった。2月3日、そして124を記録した4月19日とも、その直後から円は急反発に転じていた。さて今回も、そろそろ円安は限界に近付きつつあるのか、注目したいところではある。FX  さらに昨年まで遡っても、実効相場が124を下回ったのは、昨年12月1−13日の9営業日だけ。実効相場最安値は、昨年12月6日の122.8だ。この昨年12月の場合も、円は中旬以降急反騰に向かった。  以上からすると、全面円安が一つの重大な岐路に差し掛かっているということは間違いなさそうだ。先週は、14日に日銀ゼロ金利も解除された。ゼロ金利解除とは、小幅とはいえ円金利上昇要因だ。ところが円は、むしろこのゼロ金利解除を前後して一段安となった。ただし、これは以下のように考えるとわかりやすいだろう。  ゼロ金利解除は確かに円金利上昇をもたらしたが、その結果株価が急落した。このため「株安=円安」になったというわけだ。  これは、前回ゼロ金利解除のケースと比較するとよりわかりやすくなる。前回ゼロ金利解除は2000年8月11日だったが、この日の日経平均株価は100円以上の上昇となった。そしてその後一ヶ月で日経平均はさらに1000円程度も一段高になったのである。その中で円相場も対ドルで109円から104円へ円高・ドル安となった。  2000年8月の前回ゼロ金利解除と、今回の解除では、これまでのところ株価の反応が反対となっている。今回の場合は、株安となっていることで、為替も円安に振れているということだろう。とくに円は株価との連動性が基本的に高い通貨である。それは、米ドルが株価よりむしろ債券相場との連動性が高いことと対照的でもある。  グローバリゼーション、世界経済の地球化により、各国の金融市場は連動性が強まり、株価でも債券でも「世界同時」相場が起こりやすくなった。ところで、世界同時株安なら、円にもドルにも等しく下落要因のようだが、基本的には円安の影響が大きくなりやすい。  これは為替需給に直接影響する海外からの資本流入が、日本の場合は株式相場が中心で、米国の場合は債券相場が中心ということに起因しているだろう。  このように考えると、ゼロ金利解除と為替の関係は、間に株価を入れて考えることが基本になるだろう。また、ゼロ金利解除の影響にかかわらず、円の行方を考える上では株価が重要な目安となる。  先週から今週にかけて大きく進んだ円安がもっと進むかは、もちろん例外もあるものの、基本的には株価の動きが鍵を握っているといえそうだ。 昨年から今年にかけての相場展開で、113円は何度も重要な分岐点となってきた。最も記憶の新しいところでは、5−6月の108→116円へのドル反発局面。この時ドルは何度も113円で跳ね返される。その結果、終値が112円程度となったのは何と9営業日にものぼった。しかし113円を超えると、今度は一気にドル一段高へ向かったのである。  その前、4−5月にかけて118→108円へのドル急落局面でも113円は一つの壁となった。このドル急落は一気に展開したようだが、じつは終値が113円台となったのは5営業日であり、つまり113円割れ手前でほぼ一週間足踏みしたのである。しかし113円を割れると、112円台での終値はたった1日で、そのままドル一段安が加速したのである。  それ以前も113円は重要なターニングポイントになってきた。昨年12月121円のドル高値をつけた後の急落局面は、113円台でドルが踏みとどまり反発に転じた。FX  その前、昨年夏、ドルはしばらく113円台で頭を抑えこまれ、それを抜けるとようやくドル一段高が急加速するところとなった。  なぜこんな具合に、113円という水準がこの間重要な分岐点となってきたのかはよくわからないが、ただ結果的には明らかにドル高とドル安の境目といった役割となってきた。その意味では今回の場合も、ドル一段安に向かうかは、まずこの113円という水準が重大岐路となりそうだ。 では今月のドル安余地はどのように考えられるのか。  ドル円の今年6月までの平均値幅は4.5円。もしも今月のドル高値が先週つけた115.80円なら、平均並みの値幅になるとして111円台までドル続落する可能性は十分あるということになるだろう。  ただし、上述のように113円台は結果的にここ数年ドル高とドル安の境目のようになっている重要分岐点。もしもこの水準がサポートされるようなら、113+4.5=117円台、つまり先月失敗した、いわゆる「G7ギャップ」の完全突破、117円台突入の可能性もまだ残っているということになる。FX  さて117円か、それとも111円か。その見極めがつくのが、この113円台攻防ということになりそうだ。日本国債の格上げを受け円買い需要が高まり、ドル/円が3週間ぶりに105円割れとなる場面も。しかし連日最高値を更新した原油相場がNY時間反落したため、結局ドル/円は寄り付きの水準へ反発。クロス円も加ドル/円を除いて下落は限定的でした。  東京時間午前は前週末の信用不安を受けた上値の重い流れを引きずるものの、ドル/円はほぼ前週終値水準の106.20円台で取引を開始し、クロス円も概ね底堅く推移しました。しかし米格付け会社ムーディーズが日本国債を引き上げたことを材料に、昼過ぎにかけて市場で円買いが強まりユーロ/円が午前につけた168円から急速に下げ幅を拡大、夕方には高値から2円安の166.05円まで安値を更新しました。他のクロス円も大幅に下落しポンド/円は先月13日以来の210円割れへ。ドル/円も105円台へ下落し、一瞬105円を割って3週間ぶりの安値104.97円を示現。しかし夕方に円高がピークを迎えるとロンドン時間ドル/円を中心に買い戻しの動きが強まり、ユーロ/円もユーロ圏6月消費者物価指数(HICP)が過去最高となる前年比+4.0%を記録したことを受けて安値から持ち直す展開に。ドル/円はNY序盤には106円手前まで戻し、その後発表された米6月シカゴ購買部協会景況指数が49.6と景気分岐点の50を下回るも、市場予想と前回をいずれも上回ったため106円を越えて朝方の水準106.24円まで回復。一時143ドル台まで最高値を更新していた原油相場が利益確定売りを受けて反落したため、NYダウは前日終値水準で底堅く推移し、NY時間全体的に小動きとなりドル/円は106.20円前後でもみ合いに。ただ加ドル/円はカナダ4月GDPが予想以上に強い結果になったにもかかわらず、NY時間も軟調な値動きが続き3週間ぶりに104円を割って引けました。前日に続いてリスク回避の円買いが巻き起こり、豪ドル/円が100円台へ下落するなど円が一段高となるも、NY時間強い米ISM指数が好感され一転して買い戻しが優勢に。ドル/円は前日安値を破ることなく106円前半へ戻し、底堅さを保ちました。FX  朝方注目された日銀短観は5年ぶりの低水準に落ち込み、景気の下振れリスクが強まったものの、市場予想ほどの悪くなかったため発表後小幅に円が買われました。ただ市場への影響は限定的でドル/円は106円前半で小動き。また昼過ぎに豪州準備銀行(RBA)は政策金利発表を行い、市場の予想通り金利を据え置きとしたものの、声明で現行の金利水準を適切とし当面金利を据え置く見通しを前回同様に示したため豪ドル/円が急落、先月16日以来の101円割れとなりました。また午後に入って前日同様に円高傾向が強まり、ドル/円は夕方105円前半へ下落。クロス円もダウ先物が100ドルを超える下げを示すと、オセアニア通貨を中心に下値を拡大し、NY序盤には豪ドル/円が100.20円まで安値を更新した他、NZドル/円も5月22日以来の80円割れへ。しかしドル/円・ユーロ/円は前日安値手前で踏みとどまり、その後発表された米6月ISM製造業景況指数が5ヶ月ぶりに景気拡大を示唆する50以上に水準を戻すと、市場でドルが急速に買い戻されドル/円が106円を回復。100ドル安で始まったダウが強いISMを受けて前日プラス圏へ一瞬戻したため、クロス円も軒並み急反発しユーロ/円が166円手前から167円台へ上昇。豪ドル/円も101円台を回復しました。NY中盤以降は再び下げに転じたダウに振り回される展開となるものの、その後米ゼネラル・モーターズの業績改善を受けて株価が持ち直したため、ドル/円は3営業日続けて106円前半で取引を終え、下値の堅さを示す格好となりました。